最新の量子テレポーテーションのニュースと仕組みを直感的に解説

量子テレポーテーションって聞いたことがあるでしょうか?

テレポーテーションという言葉を聞くとSFの世界のようなイメージがありますが、実際の物理学の最先端の研究テーマの一つです。

この記事では、量子テレポーテーションの仕組みと最新情報を解説していきます。

量子テレポーテーションとは?わかりやすく解説

量子テレポーテーションとは、量子状態を遠くの粒子に移すことができる技術です。

物がテレポートするわけではない

人がテレポートできるわけではない

量子テレポーテーションは、人や物がテレポーテーションできるわけではありません。

期待されていた方はごめんなさい…。今の物理学では、物体をテレポーテーションできるめどは全く立っていなく、可能性すら議論できない状態です。

量子テレポーテーションとは?

量子テレポーテーションとは、量子状態を離れたところに再現する技術

量子テレポーテーションとは、

「電子などの量子状態を、離れたところにある電子に再現する技術」

ということになります。

例えば、電子のスピンの量子状態を、月に写すことができるのです。

量子状態は、観測すると壊れてしまうので、どんな状態かわからないです。例えば、ある電子のスピンが↑を向いている確率が10%で下を向いている確率が90%の状態だったとします。

この量子状態を、そのまま月の電子に移すことができるの技術を量子テレポーテーションと呼んでいます。

量子状態は観測すると壊れてしまうので、普通はある電子がどんな量子状態なのか知ることができません。量子テレポーテーションでは、どんな量子状態かわからないまま、他の電子に量子情報を移すことができるのがポイントとなっています。

量子テレポーテーションの方法

EPR相関の解説

量子テレポーテーションは、EPR相関(量子もつれ状態)をもった電子を用いることで可能となっています。

EPR相関とは

EPR相関とは、2つの粒子で、片方の量子状態を観測すると、もう片方の量子状態が自動的に決まってしまう関係を持っている粒子

です。これはちょっとわかりにくいのですが、コインが二つあって、二つのコインが表を向いているのか、裏を向いているのかわからない状態だとします。このコインにEPR相関があるとしたら、片方のコインを観測して裏を向いていたら、もう片方は表を向いているような関係をEPR相関といいます。

これはEPR相関がある電子の場合だと、片方の電子のスピンが上を向いていたら、もう片方が下を向いていると勝手に決まってくる関係を持っています。

このEPR相関を使うことで量子テレポーテーションが実現できるのです。

量子テレポーテーションの方法

量子テレポーテーションの方法の解説

量子テレポーテーションは、まずEPR相関がある粒子を地球と月に用意します。

テレポートさせたい量子情報の電子と、EPR相関がある電子と同時に観測します(ベル測定と呼ばれている)。その観測結果をもとに、月にあるEPR相関の片方の電子を操作してあげると、地球に合った電子の量子状態を再現できることがわかっています。

これが量子テレポーテーションです。

量子テレポーテーションは何の役に立つのか?

量子テレポーテーションは、量子コンピューターの基礎原理として応用が期待されている

量子コンピューターなどの基礎原理として役に立つと考えられています。

普通のコンピューターは、0と1のデジタルです。文字や画像などの情報は、すべて0と1の羅列になっています。

量子コンピューターでは、量子情報(qbit)をコピーしたり伝送する必要があります。この時、量子テレポーテーションを使って量子情報を操作することが期待されています。

量子テレポーテーションの最新情報

量子テレポーテーションの最新情報をまとめます。

2019年1月 阪大・NTT・富山大学の研究グループらが、「全光」で量子中継の原理検証実験に成功

大阪大学とNTT、富山大学の研究チームが、カナダ・トロント大学と協力し、地球規模の量子ネットワークを光デバイスだけで実現する全光量子中継方式を採用し、量子中継の原理検証実験(図1)に成功した。-Business Communication

2017年7月 地上から人工衛星に量子テレポーテーションを成功

地上と人工衛星で量子テレポーテーションを実現

中国が地上と人工衛星で量子テレポーテーションを実現させた。(MITテクノロジーレビュー)

2013年8月 完全な量子テレポーテーションに成功

東京大学大学院工学系研究科は、完全な光量子ビットの量子テレポーテーションに成功したと発表した。同研究科教授の古澤明氏らによる成果で、古澤氏は「完全な量子テレポーテーションの実証は、世界で初めて」と言う。研究成果に関する論文は、英国科学雑誌「Nature」にも掲載されている。

量子テレポーテーションは、光子に載せた量子ビット*1)の信号(光量子ビット)を、ある送信者から離れた場所にいる受信者へ転送する技術。これまでにない大容量通信を実現するとされる量子力学の原理を応用した「量子通信」を実現する上で最も重要な技術とされている。また、量子テレポーテーションを行う装置を組み合わせることで、超高速な処理性能を持つ「量子コンピュータ」も構築できる-eetimes

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